三面大黒天は、大黒天・毘沙門天・弁財天という異なる性質を持つ神さまが一体となった像として、日本各地に伝わっています。
商売、財運、勝負運、芸能など、幅広い福徳を象徴する姿として親しまれてきました。
灯り絵では、この異なる力が調和し、ひとつの方向へ向かっていくというコンセプトを、現代を生きる人の背中を押すモチーフとして描いき、三位一体の福徳を、金色を基調とした荘厳な世界観で表現しています。
複数の力が重なり合う統合の象徴として、以下を意識して制作しました。
■ 自分の中の「バラバラになった力」をもう一度まとめ直す
日々の中では、判断、行動、創造、対人…と、さまざまな役割が混在します。
三面大黒天の姿は、そのどれか一つへ偏るのではなく、「持っている力を組み合わせることで、道が開ける」という視点を思い出させてくれます。
■ 迷いや不安が強い時期に、進む方向を照らす
絵全体を包む金色の光は、仏教美術で「智慧や目覚め」の象徴とされる色です。
その光に包まれた三面大黒天は、「迷っているときほど、ひとつずつ整理し、前に進む力を取り戻す」という心の姿勢を、視覚的にそっと支えてくれます。
■ 行動する勇気を引き出す「勝負の場面」の伴走者
毘沙門天に象徴される勝負の気配は、恐れではなく、「一歩踏み出す覚悟」を呼び起こすために描いています。
新しい挑戦、仕事の転換、人との出会いなど、節目に立つ人にとって、静かな伴走者となることを願って。
装飾枠には、打ち出の小槌など、三尊とゆかりのある象徴を灯り絵としてリデザインしています。
その目的は、ご利益の象徴を並べることではなく、「物事の背景には多面的な意味が存在し、それらが重なり合って現在を形づくる」
という世界観を表現することにあります。
三面大黒天は、「強い運を呼ぶ存在」としてだけでなく、「自分の力をまとめ直して前へ進む」そのための象徴として、そっと寄り添う存在になるよう描きました。
・方向性に迷っている
・何か大きく変わりそう
・新しい挑戦に踏み出したい
・自分の軸をもう一度確認したい
そんな時期にある方ほど、この絵の前で心が静かに整い、次に進む自分と自然に向き合えるきっかけになっていただければと願っています。