夢や願望を追いかけているると、どうしても心が弱くなる瞬間があります。
そんな気持ちになってしまうのは、決して珍しいことではありません。
夢を叶えるために必要なのは、「自力だけでなんとかしようとしないこと」です。
目に見えない後押しを受け取ること。
流れに委ねる勇気を持つこと。
それが、昔から他力と呼ばれてきた考え方です。
自分の力と、外側からの力。その両方をうまく使うことが、夢を現実に近づける鍵になります。
その「他力」を象徴する存在のひとつが、龍体文字とフトマニ図です。
今回は、龍体文字『フトマニ図』について、灯り絵作家の視点と解釈でおはなしさせていただきます。
龍体文字は、古代日本に伝わる神代文字のひとつとして扱われています。
その物語では、古事記に登場する神「ウマシアシカビヒコジ」によって生み出された文字とされ、長い年月を経て大切に受け継がれてきたと語られています。
伝承では、特別な力を持つ巫女が神とつながり、自動書記のように書き下ろした文字であり、限られた儀式でのみ使われていたとされます。
龍体文字は長い間、秘蔵の存在として伊勢神宮に保管され、昭和に入ってから書物化され広く知られるようになりました。
その背景には「日本文化を通して世界の平和に寄与したい」という願いが込められていたとされています。
30種ほどある神代文字の中でも、龍体文字は特に力の強い文字として語られ、一つひとつが固有のエネルギーを持つと伝えられています。
僕がこの龍体文字と出会ったのは、不思議なストーリーを通してでした。
友人が僕と電話をした日の夜、彼は龍体文字の夢を見たそうです。そして起きた瞬間、僕に伝えなきゃ！と思ったそうです。
数日後、友人はたくさんの龍体文字の本を持って僕のところへ来てくれたのです。
龍体文字の力をさらに引き出すために使われてきたのが、「フトマニ図」と呼ばれる円形の配置図です。
フトマニ図は、宇宙の創生や生命の根源を象徴する幾何学的パターンとされ、古来、お守り・護符・祈りの場で利用されてきたと伝えられています。
一文字一文字に神様が宿るとされる龍体文字を配置する「フトマニ図」は、神々の座席図としても解釈され、龍体文字を定められた配置に置くことで、神々のエネルギーが整い、循環すると考えられてきました。
龍体文字のフトマニ図は、伊勢神宮下宮に祀られている豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)が伊邪那岐命（イザナギノミコト）と伊邪那美命（イザナミノミコト）のために授けたもので、ここには「とほかみゑひため」など、特別な祈りの言葉が記されています。
まるで頭の中に映像が流れてくるような、神様たちの素敵な物語ですね。
龍体文字フトマニ図は
といった目的で使われてきたと伝わっています。
龍体文字すべての文字には、それぞれに固有の意味や力が宿るとされ、それらを定められた位置に配置することで、まるで宇宙のリズムがひとつにつながるような流れをつくる……そんなイメージで扱われてきました。
このフトマニ図を生活の中で目にしたり、意識したりすると、自力だけでは越えられない壁に、そっと追い風を与えてくれるのだと考えています。
龍体文字フトマニ図が入った描き下ろし灯り絵『はじまりの星 TAIITSU』の壁紙をお届けしています。
あなたの中の光が、新しい流れを導きますように。
